MV 「炊飯器と洗濯機、あとダンボールふたり分。」 Period Period
ハヂメは、今日腹を決めたことがある。
今までを挽回するのはもうやめた、と。
それじゃあ一体、何に中指たてろというの?
そんなワッコの問いに
一本の淡い蝋燭の光を溜めた目の奥が
不思議なかゆみにおそわれた。
これが、最後 ━━━━
何度思ったことだろう。
その度にハヂメは
あの荒れた川でエビ探しに行こうとしていたのだ。
でもそれも、今日で最後。
アレルギーは体質に依存しないということが
わかった今、
ハヂメの探究心は失われていたのだから。
「肘を く、し、く、し、って伸ばす。これを30回 3セット」
画面を照らす夕日を避けながら、ワッコがぎこちなく肘を伸ばす。
サングラスのレンズが片方だけ外れていた。
それでもいいと思った。
行き先は決まっていたから。
